「Krugle Exchange Conference 2025」開催レポート
Krugle Exchange Conference 2025
11月14日に開催された「Krugle Exchange Conference 2025/クリューグル主催、日本システム開発協賛」についてレポートします。エントリーは150名を超え当日は80%以上の出席率となり、会場は熱気に包まれました。

開催目的とKrugleの概要(クリューグル代表取締役社長 川北潤)
アタック映像が終わると、クリューグル代表取締役社長の川北潤より開催の目的とKrugleの概要が説明されました。「日本が抱えるレガシーシステムの課題解決と、日本の製造業が世界のリーダーとして再度輝くために、AIの活用方法や成功事例を共有し日本の発展に貢献する。」といった内容や、「これまでのKrugleに加え、新たにナレッジプラットフォームとしてArchaea(アーキア)を開発中。」という発表とともにKrugleとArchaeaの関係が説明されました。

Archaeaの概要(クリューグル取締役CFO兼Archaea AIディレクターCFO William Daniher)
川北の説明を受けてクリューグルの取締役CFO兼Archaea AIのディレクターCFOであるWilliam Daniherから、Archaeaについてより詳しく説明がありました。Archaeaは全社向けのナレッジプラットフォームであり、Krugleはそのプラットフォームと連携するシステム従事者向けのツールセットであることが明らかにされました。

ミッションクリティカル企業におけるAI時代のデータガバナンス(東京大学教授 江崎浩 氏)
次に東京大学教授・江崎浩氏による「ミッションクリティカル企業におけるAI時代のデータガバナンス」と題した基調講演が行われ、集中処理だったAI/LLMの世界でも分散が起きており、大小LLMの使い分けやセキュリティの考え方、特にサプライチェーンに於けるその留意点など、多くの課題や解決の方向性が明示されました。そして各ベンダーの力関係について将来が示唆される中で、Krugleへの期待が説明されました。
Archaeaによって起こりうる変革(クリューグル取締役フィールドCTO 山口智之)
前半の最後は、クリューグル取締役フィールドCTOの山口智之からプロダクトアップデートと、特にArchaeaによって起こりうる変革について発表がありました。Archaea内は”Agentic RAG”が動作しており、自立型に精度の高い回答が行えたり、これまでAIには読み解きが困難であったエクセルやPDFもRAGの資源となり得ることが説明されました。またKrugleの特徴であるローカル型と用途特化型の説明は、江崎教授による分散の内容と符合するものでした。

休憩を挟み、後半は販売パートナーとユーザ企業3社から、Krugleを含むAIの取り組みについて発表がありました。
レガシーシステムと向き合う(インターネットイニシアティブ(IIJ)執行役員システム開発本部長 白崎博生 氏)
インターネットイニシアティブ(IIJ)執行役員システム開発本部長 白崎博生氏より「レガシーシステムと向き合う」と題し、IIJのレガシー基幹システムの開発環境におけるAI活用方法とツールについて発表がありました。退職者の書いた古いコードの読み解き(検索・要約・依存関係・ドキュメント化など)に数時間かけていた作業がKrugleで数分になったという効果や、コード内には機密情報が含まれるためKrugleの特徴であるセキュリティの重要性にも言及がありました。また、コーポレートレベルで採用するためのKrugleへの改善要望と残課題について、ユーザ企業ならではの発表がありました。

富士ソフトの取組み(富士ソフト 生成AI部 部長 河野恭太郎 氏)
続いて富士ソフト 生成AI部 部長 河野恭太郎氏より「富士ソフトの取組み」と題し、2023年に同部を立ち上げて生成AI活用の全社推進と、業務変革に取り組んでいる内容が発表されました。コーポレート部門と事業部(SI)の双方へ、それぞれの業務フローと各種AI(Krugle含む)の適用が細かく整理され、更にMCPサーバを活用した使い勝手(業務変革)の設計まで発表に含まれました。最後に生成AIの活用を阻害する要因の整理と、その中の幾つかがKrugleで解決されることが記され、「生成AI主体に採用を考えたり諦めたりせず、どう使うかを考えるべき。」と、印象的な言葉が添えられました。

ソフトウェア開発プロセスにおける下流工程の効率化に特化したKrugle活用事例(日本システム開発執行役員 坂上真市 氏)
最後にクリューグルと資本業務提携している日本システム開発の執行役員 組込み技術教育⽀援部部長 坂上真市氏より「ソフトウェア開発プロセスにおける下流工程の効率化に特化したKrugleプラットフォームの活用事例」と題し、モノ作り関連企業では「セキュリティ面」と「バージョンアップ時の動作差分の解消」にプライベートLLMの活用が始まっている事実や、ソフト開発の下流工程に於ける成果を狙ったKrugleの適用について自社内での活用およびソリューション開発と販売について、今後の展望が発表されました。下流工程は各企業で共通項が多く工数が多いためソリューションパッケージ化として効果が出やすく狙い目である点と、実現にあたってセキュリティを含む幾つかの課題をKrugleで解決できると説明がありました。

閉会の挨拶(クリューグル代表 川北潤)
閉会の挨拶には再びクリューグル代表の川北潤が登壇し、現在のKrugleの仕様やマーケティング戦略は、本日発表いただいた3社からの指摘・要望・助言により形成されてきた経緯を説明し、感謝の念を添えて結びました。

閉会後に発表者全員とクリューグルおよびArchaea AIのメンバーで記念撮影、そして懇親会へと移りました。

懇親会
懇親会では日本システム開発 代表取締役社長 伊藤健文氏より開会のご挨拶をいただき、乾杯の音頭は東京大学教授 江崎浩氏にお願いし、闊達な懇親会が始まりました。90名以上が参加され、発表者と参加者の交流はまさにカンファレンスの目的が達成された瞬間でした。中締めは、実は当日に販売代理店契約の締結に至ったIIJ のアライアンス第二事業部長 大洞壮史氏より、締結の発表を添えてご挨拶をいただきました。
以上、「Krugle Exchange Conference 2025」の開催レポートでした。









